人の心理学

“他人を責める”

～フラストレーション(欲求不満)を外にぶつけるタイプ～

フラストレーションの解消方法

あなたの周囲に、何かと他人を責める人がいるのではないでしょうか。例えば、その人が仕事でミスをしたとしましょう。自分の非を棚に上げて「上司の指示が悪かったからだ」「取引先の連絡漏れがあったからだ」などと自分以外の誰かを攻撃して文句を言い、自分の正当性を声高に主張するのです。下手に関わるととばっちりを食らうので、外部者は当たらず障らずということが多いのではないでしょうか。心理学では、フラストレーションの解消の仕方によって、人を3種類にタイプ分けをすることができます。例のように、フラストレーションを外にぶつけるのが「外罰型」。反対に、「失敗は自分のミスだ」「自分の努力不足のせいだ」と自分自身にぶつけるのが「内罰型」。さらに、外にも内にもぶつけずに「仕方がない」と割り切ってしまうのが「無罰型」です。

外罰型

先ほどの例では、フラストレーションを自分以外にぶつける典型的な外罰型といえるでしょう。このような人は、家庭内でも、他の家族に責任転換して怒りを撒き散らしていることが多いものです。本人にはストレスが溜まりませんが、周りにとっては非常に迷惑ですよね。怒りっぽくて無責任な人だと思われたりもします。

内罰型

一方で内罰型は、謙虚で責任感の強い人と評価を得るものの、本人はストレスを抱え込むことになります。鬱を発生させる傾向が高いのは、このタイプです。

無罰型

無罰型は社会の中で生きて行くには一番無難なタイプと言えますが、問題を突き詰めて考えることがなく曖昧なままにしておくために、同じような失敗を繰り返すことが多い傾向にあります。

帰属の理論

「外罰型」「内罰型」「無罰型」という分類によく似たものに「帰属の理論」があります。これは、トラブルや不満の原因をどこに帰属させるかでタイプ分けしたもの。原因を自分以外の他者や周囲の状況に求めるのが「外的帰属型」。逆に、自分の態度や能力、性格などに求めるのが「内的帰属型」です。上記と同じように、外的帰属型の人は同じ過ちを繰り返しがちで、内的帰属型の人はストレスをためやすくなっています。

自分自身の傾向を知る

結局、どのタイプが良いといったものではないです。自分の反応傾向も相手によって複雑に変化するので、一概に論じることはできません。しかし、反応傾向を知ることで、どうすれば生きやすいかを探ることはできます。自分の言動を振り返り、意識してみれば良いのです。