他人の不幸を喜び、幸福をねたむ

人の心理学



他人の不幸を喜び、幸福をねたむ

~他者との比較で感じる優越感と劣等感~




他人の不幸と自分の幸せ

「人の不幸は蜜の味」という言葉があります。何とも恐ろしい言葉ですが、共感する人が多いからこそ慣用語としてとして使われるようになったと言えるでしょう。「玉の輿に乗った同僚が離婚した」「エリート一家の長男が万引で捕まった」などの噂を、非道徳的だと思いつつも楽しんでしまう感覚を理解できる人も多いでしょう。「大変だね」「早く立ち直ればいいね」という同情の言葉も「いい人に思われたい」という気持ちからくるカモフラージュでしかないこともしばしばあります。こういった背景には“あの人たちに比べたら私は幸せだ”と優越感に浸る心理があります。特に相手に華々しい過去があればあるほど「今は私の方が上」という意識が働き、勝ったような気分になるのです。これは常識人であっても、ごく普通に持ち得る感情です。学歴や勤め先などをやたらと聞きたがる人にも、それと似た心理があると考えられます。相手の情報の中から弱点を見つけて優越感に浸りたいという願望によるものなのです。


人の幸福をねたむのは劣等感の表れ

人は、他者との比較において自身の優劣を決めがちです。また、自尊感情が低いほど、その傾向が強くなります。友人の結婚の知らせを聞き、「○○は美人でスタイルも良くて、その上エリートのご主人まで捕まえていいなぁ。それに比べて私はブスだし彼氏もいないし・・・」と卑屈になったり、同僚の出世を知って、「あいつ仕事できないじゃないか。それを見抜けない上司は見る目ない。」と腹を立てたり。これも、他社と比べて自分が劣るように思え、劣等感が刺激された結果の反応です。こうした感情から自由になるためには、自尊感情を高めて、他者との比較で一喜一憂しないことが大切です。


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